【カエルの夢はどんな夢?】レム睡眠/ノンレム睡眠の基礎知識からひも解く「生物の進化」

カエルも「夢」をみるのでしょうか?みていたとしたら、どんな夢でしょう。水と戯れ、虫を捕まえる楽しい夢をみているとしたら、それこそ夢のあるお話ですね。

生き物に進化があるように、睡眠にも進化があります。生物にとって欠かせない「生きるための技術」として、睡眠はその形態を進化させてきました。人は寝ている時に「レム睡眠(浅い睡眠)」と「ノンレム睡眠(深い睡眠)」の切り替えを行っている、とよく言われますが、これも進化の表れなのです。


生物の進化に合わせて、睡眠も進化していた

すべての高等生物は睡眠をとると言われています。それは睡眠が、自分の身体(とくに非常にエネルギー消費の大きい「脳」)に休息をあたえるために進化した、生体防御のための技術だからです。

自分の身体を防御するために、生物は睡眠という技術を進化させました

生物は、単純な構造の細胞体から複雑な構造の細胞体に進化し、さらに高等生物である魚類や両性類に、その後、爬虫類や鳥類・哺乳類と進化してきました。この進化の過程の中で、それぞれ睡眠の技術も進化を進めました。

魚類・両生類は「寝てても脳が休んでいない」

魚類・カエルなどの両生類は、一日の半分以上を睡眠にあてています。しかし、その睡眠時間は20分程度とごく短く、その代わり何回も寝ているわけです。

魚やカエルの脳波を測定してみると、覚醒している時と寝ている時の状態に差はみられません。つまり、身体は休めているけど脳は覚醒しているような状態です。これを専門用語で「原始睡眠」といいます。

爬虫類は進化の途中段階、鳥類や哺乳類になると「レム睡眠」が出現

爬虫類は進化を一歩進めており、脳波を測定するといわゆる“レム睡眠(脳が覚醒した浅い睡眠)”と“ノンレム睡眠(脳が休んでいる深い睡眠)”を切り替えているような感じはあるものの、そこまではっきりとした区別はなく、「中間睡眠」といわれています。

レム睡眠・ノンレム睡眠は、鳥類・哺乳類のような恒温性の高等脊椎動物に脳波としてはっきりと現れます。これは、変温性から恒温性への進化の過程で大脳が発達した生物が、身体と脳をしっかりと休息させるために踏んだ進化でした。

レム睡眠・ノンレム睡眠をするのは進化した生き物だけ

「レム睡眠」は、大脳があまり発達していなかった変温動物にみられる古い型の眠りだと考えられています。

レム睡眠の目的は身体を休ませることで、脳は覚醒している状態です。そのため、身体は完全に力が抜け、呼吸などが不規則な状態となります。眠りは浅く、一般的に夢をみやすいと言われていますが、これに関しては諸説あります。

レム睡眠との関連は?夢と脳のかかわりの最新の研究が発表に

「ノンレム睡眠」(脳が休んでいる深い睡眠)は、大きく発達した大脳を持つ恒温動物にみられる睡眠で、大脳を沈静化させ休ませることが目的です。身体をささえる筋肉は働いていて、呼吸や脈拍は落ち着きをみせます。

いわば「ぐったり眠る」レム睡眠と、「ぐっすり眠る」ノンレム睡眠。一見、ただ眠っているだけに見える睡眠の中で、身体と脳のスイッチを見事に変化させ、両方をリフレッシュさせる技術を、生物は進化の過程で得てきたわけですね。

生活が変化し、ITが進化し、人類の睡眠も今なお急速に変化しています。ヒトの”最新バージョン”である我々の中で、睡眠に対する「進化」が日々起こっていると考えると、面白いですね。

まとめ

 

  • レム睡眠とは、身体を休める、「ぐったり眠る浅い睡眠」
  • ノンレム睡眠とは、脳を休める、「ぐっすり眠る深い睡眠」
  • レム睡眠とノンレム睡眠をするのは進化した生物だけ

さて、最初の話題に戻りましょう。

学術的に考えると、カエルの眠りはレム睡眠以前の「原始睡眠」に分類されるので、「夢をみていない」と言われるかもしれません。

でも、私たちは人間ですから、本当にカエルが夢をみているかみていないのか?はわかりません。

もしかすると、近くの田んぼを跳ねた小さなカエルも、今夜は我々と同じようなワクワク楽しい夢をみているのかもしれませんね。

参考文献

睡眠科学の基礎:井上 昌次郎氏 前・東京医科歯科大学生体材料工学研究所

http://jssr.jp/kiso/kagaku/kagaku.html

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